みりん


甘いお酒が原型のみりん。

コクのある旨味や照りを出すために欠かせない

みりんについてご紹介致します。





@歴史


 本みりんの起源は、戦国時代に中国から「蜜淋(ミイリン)」

 という甘い酒が伝わったという中国伝来説や、

 古くから日本に存在した「練酒」「白酒」に

 腐敗防止のため焼酎が加えられて本みりんになった

 という日本誕生説など諸説ある。

 日本においては文禄2年(1593)の「駒井日記」に

 「蜜淋酎」の記載が最も古い文献とされている。

 当初は甘い酒として飲用に用いられ、

 特に女性や下戸の人に飲まれていた。

 江戸時代後期(19世紀)になると鰻のたれや

 そばつゆに使われだし、調味料として

 活用されるようになった。



A調理効果


■甘み


 グルコースを主体とする温和な甘味は、

 ブドウ糖をはじめ9種類もの糖成分を含む。

 これらの糖成分はショ糖よりも糖度は低いが、

 丸みや深みのある甘さが特徴。


■コク、旨味


 9種類の糖類や、生成時の糖化熟成によって

 生成された10種類以上もの天然アミノ酸や

 香気成分の働きにより料理にコク・うまみ、

 上品な香りを与える。


■マスキング効果


 成分中の14%のアルコールや前出の天然アミノ酸

 ・香気成分が 魚などの生臭さなど好ましくない香りを消す。


■味の浸透を助ける


 ブドウ糖などは砂糖の糖成分であるショ糖よりも

 結合粒子が細かいために素材への浸透性が良く、

 またアルコールも浸透の手伝いをし、味ののりがよくなる。


■煮崩れ防止、照り・つやを出す


 糖分は素材の表面に皮膜をつくり、水分を保持するので

 料理に照りやつやを与えてくれる。

 また、旨味を逃がさない上に煮崩れ防止の役目もはたす。


B種類


・本みりん


 もち米、米麹、焼酎が原料。

 蒸したもち米と米麹を合わせて焼酎を加えて仕込み、

 搾って、半年から1年間貯蔵熟成させたもの。

 アルコール度数は14度前後。

 まろやかで深い甘みがある。

 酒税法上では酒類として分類される。


・発酵調味料(加塩みりん)


 うるち米を麹で糖化し、酵母によって醸酵させて、

 糖類やアルコールと合わせたもの。

 みりんと合わせたものもある。

 塩を加えて調整してあるため、

 酒税の課税対象である酒類にはならない。


・みりん風調味料


 戦後になってからできた調味料で、

 本みりんとは原料が異なり、ブドウ糖や水あめなどの

 糖類、グルタミン酸、香料を混ぜ合わせたもので、

 アルコール度数は1%未満、糖分60%以上の甘味調味料。


C製造方法