蕎麦打ちワンポイント


蕎麦打ちのポイントをまとめました。




木鉢作業



 水回しの時の手の形


  



 分散の手の動き


  



 こね方


  



 菊練りの手の動き


  



・そばの塊が均一な大きさにならない


 >攪拌が遅い

 >攪拌する軌跡の円弧が小さい

 >こね鉢に手のひらを付けない

 >力を加えず、揉み手で散らす


・そば玉にまとめられない


 >調整加水量が足りない

 >くくりの時の力が足りない


・潰したそば玉の傷が残っている


 >加水量が足りない





のし作業



 麺棒の使い方1


  



 麺棒の使い方2


  



・手延しの時に周囲がひび割れる


 >加水量が足りない

 >水回しが均一ではない



・延す時に、麺棒・延し板にくっつく


 >加水量が多い

 >打ち粉が足りない

 >麺棒に油を塗布していない

 >麺棒に油を塗布し過ぎている

 >麺棒に紙やすりをかけていない


・角出しで四角にならない


 >右手・左手で均等に力を加えていない




切り作業



  包丁の動かし方


    →  →  → 



  



・そばが下まで切れない


 >加水量が多い

 >まな板の打ち粉が少ない



・そばが切れる


 >加水量が少ない

 >水回しが均一ではない

 >1番粉が多い粉、粒度が粗い粉を使用している




茹で作業



・そばが5秒以内に浮いてくる


 >寝かし時間が短い



・そばが沈んだまま30秒を過ぎる


 >寝かし時間が長い


 >火力が弱い



・40〜50秒で再沸騰しない


 >鍋の湯量が少ない


 >茹でたそばの量が多い






食感



・歯ごたえが無い


 >加水量が多い


 >氷水でしめていない


 >木鉢で加圧が足りない


 >茹で時間が長い


 >そば粉のたんぱく質(外皮)が多い


 >そばが太過ぎる



・歯ぬかりする(歯にそばが付いてしまう)


 >加水量が多い


 >木鉢で加圧が足りない


 >そば粉のたんぱく質(外皮)が多い



・ヌメリがある


 >洗い作業が足りない



・そばが青臭い


 >木鉢で加圧が足りない


 >そば粉のたんぱく質(外皮)が多い






その他


 木鉢作業でそばがまとまる理由として、


  @デンプンが水となじみ、デンプン粒子が水を吸って、


   デンプンの接着力が増加する事


  Aそば自体がもっているデンプン分解酵素の


   アミラーゼの作用により、デンプンが分解され、


   糖類が増えて、これが接着力を増加する


 事による。


 温度や湿度によって打ち方を変えることがあるのは、


 生の粉には「アミラーゼ」や「プロテアーゼ」といった


 酵素があり、これは気温や水温が高い方がよく働いて、


 つながりやすくなるためである。


 麺がのびるとは、でんぷんの老化(β化)と、


 麺内部の水分が均一化した状態をいう。


 茹でる事で加熱されたでんぷんはα化するが、


 時間経過と温度低下によりβ化が進む。


 茹で上げた直後の麺の水分は、表層では80%に対し、


 内層では40%と不均一である。


 この不均一により腰が生まれる。


 そばはグルテンを含まないために、


 均一化が早くのびやすい。


 特に外層粉を多く含む黒い蕎麦は、


 水溶性たんぱく質量が多いため、


 水分の均一化がより一層進み、のびてしまう。