砂糖


砂糖は甘みを持つ歴史ある調味料です。

つゆをまろやかにするとともに、

醤油を酸化させないために用いられていた。

砂糖の歴史から製造方法についてご紹介致します。




@歴史


 紀元前2000年頃、インドでは既に砂糖が

 使われていたといわれる。

 最古の仏教典には「砂糖」はクスリとして記されており、

 病気による衰弱、疲労の回復に「砂糖」が効果ある

 として使われた。

 サンスクリット語のSarkaraあるいはSarkkaraが

 英語のSugarやフランス語のSucreの語源に

 なったといわれる。

 サトウキビは紀元前8000年〜1500年頃に

 ニューギニアの辺りで栽培された説があり、

 東南アジアを経てインドに渡り、

 キビの汁を煮詰めて砂糖をつくるようになった。

 日本へは754年(奈良時代)に鑑真和尚が唐から

 渡来した折り持参したとの説がある。

 1607年に奄美大島の人直川智が日本で初めて

 黒砂糖を約60キロ作った。

 1662年に沖縄で儀間親方が白砂糖を初めて作った。

 1879年に北海道で初めて甜菜工場が出現したが失敗し、

 1919年に復活し今では日本需要の22%を

 まかなうようになった。



A調理効果


 ■親水性


  肉料理の下準備で少量のお砂糖をお肉に

  揉みこむと、砂糖がタンパク白質(コラーゲン)

  と水分とを結びつけて、肉をやわらかくする。

 ■泡の安定


  卵白に砂糖を加えて泡立てると、砂糖が卵白の中の

  水分を吸収して、しっかりとしたきめ細かい泡の

  メレンゲになる。生クリームでも泡が安定して、

  しっかりとした仕上がりになる。

 ■浸透圧


  果実酒をつくる際にお砂糖を加えるのは、

  砂糖による浸透圧で、フルーツの香りと味を

  引き出すためである。じっくりおいしさを引き出すには、

  ゆっくり溶ける氷砂糖が最適。

 ■ゼリー化


  ジャムをつくる際にお砂糖を加えるのは、

  果物の酸と砂糖が果物に含まれているペクチンを

  ゼリー化させるためである。

 ■でんぷんの老化防止


  すし飯にお砂糖を加えると、ご飯が固く

  (でんぷんの老化)なりません。

  砂糖がご飯の水分と結びつくことで、

  ぱさつきを防ぎ、でんぷんをやわらかく保つ。

 ■メイラード反応


  パンを充分発酵させるにはパン生地(小麦粉)の

  糖分だけでは足りないため、パン生地に砂糖を

  加えるとイーストの発酵をより活発にし、

  パンをふっくらとさせる。おいしそうな焼き色を

  つけるのも砂糖の働きで、メイラード反応という。

 ■酸化防止


  砂糖には脂肪の酸化を防ぐ働きがあり、

  ケーキやクッキーのバター風味は、

  砂糖によって守られている。

 ■防腐性


  カビや細菌は食べ物の水分を利用して増殖する。

  砂糖をたくさん使った羊羹やジャムが腐りにくいのは、

  カビや細菌の増殖に必要な水分をお砂糖が

  とりこんでしまうからである。


B種類


  上白糖


 日本で使用されている砂糖のうち約半分を占める、

 もっとも一般的な砂糖。

 結晶が細かく、しっとりとしたソフトな風味の砂糖で、

 白砂糖とも呼ばれる。

 上白糖はアジアの一部と日本でしか使われていない。


  グラニュー糖


 上白糖よりも結晶の大きい、サラサラとした感じの砂糖。

 クセのない淡泊な甘さを持つので、

 香りを楽しむコーヒーや紅茶に最適。

 また、菓子用や料理用にも広く使われる。

 アメリカ・イギリス・ドイツ・アジアの大部分でベストセラー。


  白双糖(しろざらとう)


 結晶がグラニュー糖より大きく、無色透明の砂糖。

 一般的に家庭で使われることは少なく、

 高級な菓子や飲料に多く使われる。


  三温糖


 ミネラルを多く含む黄褐色をした砂糖で、

 上白糖やグラニュー糖に比べて特有の風味を

 持っていて、甘さも強く感じる。

 煮物や佃煮などに使うと、上白糖などに比べて、

 強い甘さとコクがでる。


  角砂糖


 グラニュー糖を四角に固めたもので、

 コーヒーや紅茶に使われる。

 また、1個の重量が決まっているので、

 お菓子や料理用にも便利。


  氷砂糖


 氷のように見える、とても大きな結晶で、

 キャンディーとしてそのまま食べられる。

 また、溶けるのに時間がかかるので

 果実酒を作るのに最も適している砂糖。


  液糖


 溶かす手間が省けるため、ガムシロップをはじめとして

 清涼飲料水、ソース、焼き肉のタレ等に使われる。


  和三盆


 日本の伝統的な製法で作る淡黄色の砂糖。

 結晶の大きさが非常に小さく、独特の風味を持つので、

 和菓子の原料として珍重される。

 サトウキビの絞り汁からアクを抜き、煮詰めて冷まし

 取り出した白下糖から糖蜜を除き、

 麻袋に包み重石をかけ乾燥させたもの。


  黒砂糖


 さとうきびの搾り汁をそのまま煮詰めて砂糖にしたもの。

 濃厚な甘さと、強い風味がある。

 沖縄県や鹿児島県の南西諸島で作られています。

 サトウキビの絞り汁を煮詰めたもの。



C製造方法


 ブラジルをはじめオーストラリアやタイ、沖縄や

 鹿児島など世界各国で栽培されるサトウキビは

 刈り取ってそのまま放置しておくとショ糖分が減るため、

 刈り取り後は、なるべく早く近くの製糖工場で原料糖にする。