蕎麦粉


蕎麦切りの原料は当然蕎麦粉。

蕎麦粉の種類と、利用の実際についてまとめました。




@種類


   玄そば


 脱穀後の殻つきのそばの実のこと。 形は三角錐に近く、

 殻の色が黒い(玄は黒色の意)ことからこう呼ばれる。

 一般に丸みのある玄そばほど味が良く、色と香りは逆に

 角張ったほうが強いとされる。


   丸抜き


 玄そばの殻をむいたもので、単に「抜き」ともいう。

 石臼自家製粉のそば屋は多くこの丸抜きを仕入れ、

 そば粉にする。粒のまま炊けばそば飯になり、

 炒って味噌にからめればそば味噌になる。



   割れ


 玄そばの殻を取る際に割れたもの、もしくは丸抜きを

 石臼にかけ軽く挽き割ったもの。

 割れの程度により「上割れ」「小割れ」などに分かれる。

 「さらしな粉」は上割れだけを別に製粉したもの。



   打ち粉


 そば玉をめん棒でのす時に使う粉。そば打ちには

 専用の「端粉(花粉ともいう)」を用いる。

 端粉は玄そばを挽いたとき最初に出てくる粉で、

 白粉ともいう。


   一番粉


 そばの実の中心部分の胚乳を粉にしたもの。

 製粉して最初にでてくる粉で、色は白く、

 ほとんどでんぷん質。

 味と香りに乏しく、粘りもないため極めてつながりにくい。

 湯練りで打つケースが多い。


   二番粉


 中層粉ともいい、一番粉にならなかった胚乳部や

 子葉部まで挽き込んだもの。

 香りや味に優れ、栄養価が高く、色は淡い緑黄色。

 いわゆる並粉(標準粉)は二番粉以下を原料とする。



   三番粉


 二番粉をさらに製粉し、外側の表層部分から

 挽き出された粉。

 色、香りともに二番粉より強い。そば本来の風味は優れ

 栄養価も高いが、甘皮まで挽き込んでいるため

 食感はやや劣る。



   四番粉


 製粉の最後に挽き出される粉で、末紛ともいう。

 外皮すれすれまで挽き込んだ黒い粉で、

 香りは高いが、繊維質が多いため舌ざわりはよくない。

 もっぱら乾めんや、ゆでめんに使用される。



A蕎麦粉の利用


 外国産は輸送中に高温に晒されるため風味が劣る。

 国内産は産地による風味より製粉所の玄蕎麦管理、

 製粉レベルによる差が大きい。

 蕎麦粉は粗いほど蕎麦切れしやすいが、

 独特のぷりっとした食感と風味を生む。

 蕎麦屋に供給される蕎麦粉は僅か2割で、

 残りは加工メーカーで使用される。

 乾麺、生麺タイプの蕎麦は蕎麦粉が3割以上

 使われていれば‘蕎麦’と表記が可能になる。

 色付けのため四番粉が用いられる。

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